ラルタンについて

使用されている木材の知識

 ウクレレの音色はサウンドを左右する最重要要素です。「ハワイアン・コア」「マホガニー」「スプルース」「マンゴー」「アカシア」「メイプル」「ひのき」「桜」など様々な材が使われています。それぞれの材によってサウンドが違います。高級なウクレレほど良い材を使用してあるのは間違いありません。また同じ材でも木目の美しさや品質で価格が大きく左右されます。また、単板(1枚板)・合板(張り合わせた板)によってもそのサウンドは全く違いますから、このあたりも選ぶ基準としては大切です。

 ウクレレに使用されている木材は1本1本杢目が違います。インターネット通販でウクレレを購入する場合、写真が掲載されているものと同じウクレレが届くわけではありません。限定1本のウクレレではない限り、同じ杢目や色具合であるはずがありませんから、杢目にこだわるのならば実際に店頭で見て触って確かめるしかありません。

 
ウクレレ

ハワイアンコア
Hawaiian Koa

 ハワイ産の「神が宿る樹」がハワイアンコア。とても貴重な木材です。材面は薄褐色から赤褐色で、金色の光沢があり高価な杢を使ったウクレレは見ているだけでうっとりします。不規則な縞や杢目が現れることも多く、杢目によって価格が全く違います。硬くて響きが良く、カラッとした歯切れの良さ、コロコロとした温もりの音色が特徴。明るい豊かな音色でウクレレらしいサウンドです。杢目の美しさは芸術的です。

 

ハワイアンコア
 
ウクレレ ハワイアンコア

マホガニー
Mahogany

 中南米、アフリカ、東南アジア産。赤褐色で木肌はあまり個性がない杢目のものが多いです。甘く柔らかな音色になります。高音域や音抜けの良さでも安定感のある材です。マホガニーのウクレレは目にすることが多いかもしれません。その杢目と品質、産地の違いで安物から高額なものまで様々あります。品質の良いマホガニーのウクレレは最高に甘いサウンドでJAZZの演奏にも相性がよく、その響きに魅了されます。 

 

マホガニー
 
ウクレレ マホガニー

スプルース
Spruce

 マツ科の針葉樹。白っぽく淡い黄褐色は、女性の肌のように美しい。アコースティックギターに使用されることが多いのですがウクレレでも同様でトップ材として使用します。サイド、バックにローズウッド材やハカランダ、メイプル、コアなど硬い材と組み合わせることが多く、鳴りの大きさが明らかに違って感じます。音のヌケ感に優れ、音の輪郭がはっきりします。 

 

 

スプルース
 
ウクレレ スプルース

アカシア
Akasia

 マメ科でオーストラリア大陸、アフリカ大陸に分布。日本のアカシアはニセアカシア(偽アカシア)という木で、1873年に日本に輸入されたころアカシアと名づけられ歌謡曲などに登場しますが、全く別物です。個性的な杢目でアカシア・コアと言うこともありますがこれは正式な名称ではなく、ウクレレの音ハワイアンコアとは全く違い可愛い音と甘めのサウンドです。 

 

アカシア
 
ウクレレ アカシア

メイプル
Maple

 メイプルシロップで馴染みのあるのがこれです。カナダ・アメリカ北東部産のカエデのことです。辺材は淡い灰白色、心材は灰色を帯びた黄褐色。材質は緻密で狂いが少なく、非常に硬くて音の反響も大きいです。歯切れの良い音色が特徴。衝撃性に強いのでボーリングのレーンやピンの素材として使われる。エレキギターの材としてよく使用されています。写真のメープルはスポルテッドと言って個性が強く出ている材です。
 

 

メイプル
 
ウクレレ メイプル

マンゴー
Mango

 淡黄色、薄茶色での木材です。材質が柔らかく、色むらがあるので同じ杢目に出会うことはほとんどありません。コアやマホガニーより柔らかい音色、丸い甘い音色で落ち着いた印象があります。一本一本木目が全く違うので通販で購入すると「写真と違う」というのが当たり前です。杢目に拘るなら店頭で手に取って選びましょう。そういった意味では気に入った木目のマンゴーに出会ったら即ゲット! 
 

 

マンゴー
 
ウクレレ マンゴー

ひのき(桧・檜)
C. obtusa

 日本と台湾にのみ分布するのが桧。日本人に馴染みのある木材です。日本の建材としては最高品質。独特な香りが実に東洋的。木材の徹底した乾燥管理と製作技術が求められること、またその用途が建材として使用されているため、桧のウクレレは市場にほとんど出回りません。ウクレレのサウンドはどこまでも甘く、深く、肌触りがよく一度触ると忘れられない音になるかもしれません。 当店のオリジナルモデルに採用しています。

 

ひのき

桜(チェリー)
Cherry

 説明する必要もありませんね。これぞ日本!というわけですが、このサクラの材を使ったウクレレに出会うことは稀です。量産品のウクレレには存在しません。ビルダーの方が製作したものしか入手できません。私はサクラのウクレレを保有しておりまして、これが実に男っぽいパワフルなサウンドです。イヨッ!桜吹雪の遠山の金さん、待ってました!という感じでしょうか(笑)
 

 

桜 チェリー
 
ウクレレ チェリー

シダー
Cedar

 
 辺心材の差は明らかで、辺材は白色で狭く、心材は赤褐色。耐久性は高い。シダーはスプルースに似た響きを持ち、トップはシダー、サイドバックはローズウッドなど硬い材と組み合わせることが多く、クラシックギターのような明るく迫力あるサウンドを持っています。

 
 

 
ウクレレ チェリー

ジリコテ
Ziricote

 
 ムラサキ科の広葉樹。メキシコ、グアテマラなどの中南米などに生育。材色は灰~緑がかった黒で濃淡の模様がある。現在は産出量は少ないため、非常に希少な材です。硬くて弾力がある材質で、重厚なサウンドを作り出してくれます。

 
 

 
ウクレレ チェリー

エボニー(黒檀)
Ebony

 
 カキノキ科カキノキ属の常緑広葉樹。インドネシアを中心に東南アジア全域に生育。また、アフリカの一部にも分布。辺材は淡い赤色を帯び、心材は黒色と淡赤色の帯びが交互に重なった杢目が多い。非常に重く硬い材で、加工は困難を極める。耐久性は非常に優れています。黒檀という名称でも知られており、指板やブリッジで使用されることもあります。

 
 

 
ウクレレ チェリー